街の緑を考える 〜ふるさとの緑への提案と活動〜

 

能代市・けやき公園の大ケヤキ

朝日の中、大きく腕を広げる大ケヤキ(能代市 けやき公園)

 

「お父さん。どうしてあの木たちには腕が無いの?」
数年前、ブツ切りにされた能代の街路樹を見て、長女が発した一言です。
絵本の中に出てくる木には幹に顔があり、大きく広げた枝が腕になっています。
当時、保育医園児だった彼女には、木とはそういうものだというイメージがあったのでしょう。
ふるさとは、子供たちが夢を持てるような緑の街であってほしい。
このページは、そんな思いで始めた、緑の活動の記録です。
(2013年6月)

 


 

緑の活動の記録がPDF冊子になりました。
→「街路樹の人」(PDFファイル140頁・5,365KB)

『街路樹の人』

「地元の街路樹を良くしたい!と活動していたら、あっという間に10年。あんなこと、こんなこと、いろいろありました。そんな、喜怒哀楽の街路樹人生?を書き留めたのが、この、『街路樹の人』です。
能代で産声を上げた街路樹サミットは昨年、東京で花開き、今年は大阪で。日本にはこんなにも街の木に思いを寄せる人がいることを、あの頃の自分に教えてあげたい。こんな未来が待っていることを、こっそり耳打ちしてあげたいような、そんな気分です。
嬉しいことも楽しいことも、10年の積み重ねがあっての今。感謝の思いを込めて、ここにお届けします。

(2017年2月 福岡 徹)

 

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考察

〇「街路樹のその後とこれから」(2007年7月)

ブツ切りが横行していた頃の能代の街並みと、この頃の自然樹形再生についての私の考えをまとめたものです。ここからまた失敗を繰り返し、今の考えになっています。

 

公園のケヤキ

 

〇「剪定の強弱が紅葉(黄葉)や葉の大きさに及ぼす影響(348KB/PDFファイル・4頁)」(2010年11月)

樹木は度を超えた剪定を行うと、紅葉が遅れたり葉が大きくなるなどの異常が出てきます。

これはどうしたことから起り、防ぐにはどうしたらいいのか。剪定する時は、一度に落とせる枝葉の量を加減しなければならないのではないか、適量はどのぐらいなのか、ブツ切りを防ぐためにも、そんなことも街路樹剪定の仕様書に盛り込むべきではないのか、など、そんなことの考察です。

  ※参考:冬の青葉(ブログ紅の葉の木陰/緑の役割)

 


 

先進地に学ぶ

緑の先進地視察報告(2.6MB/PDFファイル・16頁)(2012年1月)

街路樹行政の先進地である埼玉県和光市・久喜市、江戸川区、大田区、横浜市の視察報告です。

 

視察報告

 

 


 

木に優しい剪定の技術

○街路樹(イチョウ)の透かし剪定

○緑の先進地に学ぶ樹木剪定の基本(CODIT理論の紹介・854KB/PDFファイル・3頁)

市・県を招いて行った剪定勉強会用に作成した資料です。

・横浜市の街路樹(イチョウ)に見る腐りが入りにくく樹皮を早期再生させる剪定法(1頁)

・弘前方式(弘前公園のサクラ)に見る腐りが入りにくく樹皮を早期再生させる剪定法(2頁)

・江戸川区街路樹指針に見る街路対応樹形のあり方(3頁)

○木を腐りから守り、切り口を早期再生させる剪定「手入れのご案内」より)

木を腐りから守り、切り口を早期再生させる剪定

 

 


 

行政への提案/市民参加の講習会の主催/関連イベント等

庭の勉強会の仲間と、「緑の景観を考える会」として行った行政への提案や講習会です。

○緑の景観を考える「能代市長との直接対談」(2007年4月)

能代市長との直接対談

能代市HP「市民の皆さんとランチで対話 平成19年度」

 

○支柱講習会「公園の木を救え!」 「支柱の効用と害

 

公園の木を救え

 

 

○白神山地植樹&自然散策会「自然を知る。自然への恩返し

 

白神山地植樹

 

 

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街路樹剪定勉強会(2008年12月):能代市二ツ井町公民館

能代の街路樹がまだブツ切りされていた頃、市、県、市議、市民団体に声掛けし、街路樹のあり方に理解を深めてもらうための勉強会を開きました。この2ヶ月後、能代市は強剪定を見直す方針を表明しました。ここまで持ってくるのに三年。会社の代表など一人もいない、20代30代の若手でもやればできる。一職人の言い分でも正しいことは通る。そんなことを感じた勉強会です。

 

市民学校/剪定講座(2009年9月)

二ツ井町内の公園をお借りし、弘前市の桜剪定法など、腐りを防ぎ切り口を早期再生させる剪定法を、座学と実技で紹介しました。

 

日本の街路樹を考える/小さな街路樹サミットin能代(2010年2月):能代市市民プラザ

能代の問題は全国の問題であり、全国の問題は能代の問題。先進地の自治体や緑の活動を行う環境団体、個人、専門誌などから資料提供いただいた事例を一覧で掲示、市民に継続的に緑を考えてもらうための場をつくりました。

 

桜剪定勉強会(2011年3月):能代市文化会館

弘前市の剪定講習会で得た桜の剪定法を能代市の公園の桜で試行しました。

 

街路樹景観写真展(2010年12月):能代市市民プラザ

この年の秋、電線支障による大掛かりな強剪定が市内の街路樹に行われ、自然樹形への再生過程にあった木々のほとんどがブツ切りされるという事態が起こりました。「美しい緑の街並みを創るには」をサブテーマに、電線との共生を最重要課題として、全国の好事例と能代の現状を紹介しました。

 

市長対談「能代の緑の景観を日本一にするための提案」(2011年3月)

方針転換したものの、積極的な緑の方針を打ち出せず、なかなかブツ切りが無くならない能代市。管理体制が整わず庁内周知がされていないことから、職員が異動になると後戻りしてしまいます。街路樹展示の案内をしても来ていただけないことから、市役所での対談を申し込みました。プロジェクターで全国の事例を見ていただきながら、能代の緑を日本一にしようと呼びかけています。

 

市長対談

能代市HP「市民の皆さんとランチで対話 平成22年度」

 

○街なかに夢の並木を創る〜二ツ井町市日通り・緑のトンネル創生ビジョン(2012年2月)

・〜二ツ井町市日通り・緑のトンネル創生ビジョン〜/上

・〜二ツ井町市日通り・緑のトンネル創生ビジョン〜/下

街に緑のトンネルを創り、苦情で切られるという街路樹のマイナスイメージを、枝が伸びることに楽しみが持てる緑のトンネルを目指すことでプラスに変え、街の活性化にも結びつけようという提案です。

 

○緑の先進地視察報告展(2012年2〜3月):能代市畠町新拠点、二ツ井町恋文スポット

・緑の先進地 視察報告展:能代市畠町新拠点

・緑の報告展 in恋文すぽっときみまち

この年に行った関東地方の街路樹視察の報告書を能代市に提出、市民の皆様にもおすそ分けするために、能代と二ツ井の二カ所で展示を行いました。

 

緑の報告展ポスター

 

緑の報告展

 

 

緑の先進地に学ぶ木に優しい剪定法 見学会開催(2012年2月)

前年、弘前市の桜剪定法の試行をした公園で、横浜市や江戸川区の事例も紹介しながら、CODIT理論による剪定法を実演しました。市県の街路樹や公園担当の職員の方々、市議、シルバーセンター、一般市民の方々など、約40名の参加をいただきました。

この活動を持って、緑の景観を考える会としての活動を終了しました。

 

緑の景観写真展(2013年2月)

能代市緑の基本計画の策定を機に、計画の周知や啓蒙を市民の側からも盛り上げていきたいとの思いで企画しました。今回は、「楽しむ」をテーマに、様々な緑の楽しみ方を紹介しています。

 

「巨木の街路樹写真展」(2013年8月)

能代市のけやき公園前の街路樹は、道路拡幅の際にお寺の木を残したもの。同様の事例を山形市でも見つけたことから、市民の要望で残された全国各地の巨木の街路樹を紹介しました。

 

「街なかの緑を楽しむ(講演会)」(2013年11月)

環境保全に取り組む市民団体からの依頼で、様々な緑の楽しみ方を紹介しました。

 


 

一市民としての提案

○久喜市街路樹視察団をお迎えしてー能代にも緑の条例を(2012年8月23、25日 北羽新報)

日本で初めて街路樹条例を策定した埼玉県久喜市。条例提案者の市議の方に、先進地の事例紹介展示を行った際に資料提供をお願いしたことが縁で、この年に久喜市を視察、久喜市議団の能代来訪へと繋がりました。ここでは、新たに視察してきた青森県十和田市の事例も紹介しながら、緑の条例策定の必要性を提案しています。

・久喜市街路樹視察団をお迎えして―能代にも緑の条例を/上

・久喜市街路樹視察団をお迎えして―能代にも緑の条例を/下

○緑の基本計画への提案(2012年10月8、9日 北羽新報)

能代市が緑の気本計画策定に向けて市民アンケートを始めたことを知り、現在の能代に必要と思われる提案を紙面で行いました。青森県十和田市をヒントに、「さくら協定」の策定や、景観重要樹木の指定などを提案しています。

・「花・夢・緑の街能代市」(上)〜緑の基本計画への提案

・「花・夢・緑の街能代市」(下)〜けやき公園の木々は語りかける

 

能代市緑の基本計画(素案)への意見(パブリックコメント)提出(PDFファイル・2013年2月)

能代市が募集した、緑の基本計画への意見書を提出しました。行政は担当者の移動などで、問題が引き継がれないことがあります。基本計画には審議委員会がありますが、能代には緑の専門員がいないため、理解が浅いことが予想される。そうした事情を考慮して、能代の街の緑の現状や経緯を知っていただき、緑のあるべき姿を考えていただきたいとの思いで書きました。

 

「けやき公園の街路樹を守る 〜日本一の街路樹の保全と活用〜」(2013年8月1日 北羽新報)

百年前の大型灯籠を再現、能代が活性化対策の切り札として開催した「天空の不夜城」。運行支障となったけやき公園前の大ケヤキの街路樹は、無残にもその大枝が切り詰められました。これを教訓とし、貴重な緑の保全を行うことの必要性を、具体例を挙げて提案しています。

 

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建築資料研究社「庭」掲載 街路樹関連記事

秋田からのお便りー植木屋の良心と誇り(「庭」164号連載)

街づくりの職人を目指してー私の街路樹奮闘記(「庭」174号連載)

秋田のサムライたち決起する 『次世代に残すものー私の街路樹奮闘記Part2』(「庭」176号連載)

「全国街路樹サミット」開催を夢みて・街路樹は微笑む 一市民としての草の根運動(「庭」198号掲載)

「街路樹礼賛 その1〜街路樹革命〜」(連載担当 建築資料研究社「庭」213号)

 

地元紙、広報等 街路樹関連掲載記事

残したい場所(北羽新報 2007年2月14日)

「植木屋さんが伝えたいこと〜街路樹の在り方について考える〜」(秋田花まるっグリーン・ツーリズム 2010年12月22日)

さくらフォーラムに参加して・その1 さくらフォーラムに参加して・その2(北羽新報 2011年3月2、3日)

プラタナス巡礼(北羽新報 2011年4月27日)

街路樹観察日記(北羽新報 2011年7月14日)

街なかの葉っぱに会いに行こう!(北羽新報 2011年11月3日)

水吹き銀杏に会いに行く(北羽新報 2012年11月8日)

「緑のトンネルを訪ねて2〜能代にもある緑陰の道〜」(北羽新報 2013年7月8日)

「『桜プロフェッショナル』に学ぶ樹木管理の基本」(北羽新報 2013年10月31日)

「これからの庭と住まいを考える」(北羽新報 2013年9月5日)

「チャーミングな街路樹を探して〜能代にもある街路樹の魅力〜」(北羽新報 2013年11月24日)

街路樹サミット(於・東京都立川市昭和記念公園)に参加して・上(北羽新報 2016年2月9日)

街路樹サミットに参加して・中(北羽新報 2016年2月11日)

街路樹サミットに参加して・下(北羽新報 2016年2月13日)

 


 

街路樹関連情報

○横浜市/道路局総務部総務課 →『横浜の街路樹』『いきいき街路樹事業』『街路樹根上がり対策事業』など。

○江戸川区役所『江戸川区の街路樹』、江戸川区街路樹指針『新しい街路樹デザイン』

○富山県の新樹造園・河合さん『街路樹が植えられている訳・街路樹の機能

○千葉県の高田造園設計事務所・高田さん『緑地空間設計

○長野県の工房ジネン・柳さん『ランド・ネット

 

 

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